移動平均線で利益は出せるのか
移動平均線は、ローソク足についでトレーダーに用いられていることの多いテクニカル指標です。
単純でわかりやすいという点では非常に優秀です。
もちろんローソク足だけが表示されているチャートでトレードして、利益をあげている方もいらっしゃいます。
ご自身のトレードスタイルに合わせて、ご自身が最もわかりやすい方法なら採用するテクニカル指標は極端に少なくても十分に利益を出すことはできるのです。
特殊な才能なく使える
以前、株取引でローソク足すらも出さずに価格だけを見て売買している方をお見かけしたことがあります。
その方の取引している銘柄の過去の高値や安値が頭に入っている、という驚愕すべき記憶力の持ち主の方でした。
常人にはこの手法で取引するのは、確実に不可能でしょう。
ですので、常人は常人らしくトレードをする必要があります。
移動平均線は採用している人が多いから優秀というわけではないのですが、他の多数のトレーダーたちが常時使用しているテクニカル指標は常人にとっては確認しなければならないものなのです。
具体的な価格を知ることが出来る
移動平均線を表示させることで、誰にでも注目すべき具体的な価格を知ることができます。
ドル円5分足のチャートです。
図のオレンジの矢印に注目していただきたいのですが、16:45のローソク足の陰線です。このローソク足の終値が、25本移動平均線(青の移動平均線)を初めて下に割り込みました。
これ以降20:00に安値をつけるまで、40pips円高方向のトレンドが形成されています。
移動平均線というのは、定められた本数のなかでの平均の価格を表しています。
つまり、移動平均線よりも上の価格で売買されているときは、売りよりも買いの方が多いということができるのです。
移動平均線よりも下の価格で売買されているときは、その逆です。
言いかえると、移動平均線の価格で売買されている状態とは、定められた区間のなかでちょうど売りと買いが拮抗しているという状態を言います。
さて、先ほどのオレンジの矢印をもう一度確認してみましょう。
このローソク足が25本移動平均線を割り込んで以降、ある程度の揉み合いはありますが3時間のあいだ下がり続けています。
移動平均線を用いているからこそ、売りと買いのバランスに変化があったことがわかるといえる典型的な例といえるでしょう。