雲の表示は実践でどう影響するの?
「転換線、基準線を表示させたチャート」と「転換線、基準線に先行スパン付け加えて表示させたチャート」とでは、トレーディングにどのような差異があるのか、今回はこの案件について比較検証いたします。
早速ですが図①、②のチャートをご覧いただき、見比べてください。
図①「転換線+基準線」のトレードでは、利食い1回1210pipsに対し、損切り3回の計240pips、差益は970pipsでした。
対して、図②「転換線+基準線+先行スパン」のトレードでは、利食い1回1050pipsに対し、損切り1回210pipsで、差益は840pipsでした。
図①、図②のトレードにどのような違いがあったのか、それを解説する前にお伝えすることがあります。
それは、表示させるテクニカル指標が多ければ多いほど、必ずしも勝利トレードの回数が増えたり、多い差益を得ることができたりする、というわけではありません。
テクニカル分析には大前提がある
大事なことは、自分の目指すトレードスタイルやご自身のトレードの性格(損切り回数が多かったとしても利益を伸ばす方がプラン通りにトレードできる、もしくはトレード回数はできる限りセーブし損切りする回数や割合を下げる方が安心してトレードに取り組むことができる、などなど)に合った手法を選択することなのです。
前置きが長くなりましたが、これより図①、図②の手法の比較です。
図①の方が「トレード回数」「損切り回数」「利食い総額」「損切り総額」全てにおいて多いです。
トレードの経験を積み重ねてきたとしても、損切りをするということは、少なからずストレスとなります(損切りをすることに対して、何も感じなくなるようになったら超一流トレーダーなのですが)。
用いるテクニカル指標がシンプルなほど、トレードの試行回数は増える傾向にあります。
一目均衡表を実践活用するコツ
損切りを厭わずトレードできるのならば図①の手法を、エントリーを厳選し利食い幅は少ないけれども損切りする回数を減らしたいのならば図②の手法を、それぞれ選択すべきでしょう。
それを裏付けるため、最後に図③、図④のチャートをご覧ください。
図③「転換線+基準線」では、トレードすべきでないローソク足は、灰色で塗りつぶされた範囲の合計104本。
対して、図④「転換線+基準線+先行スパン」では129本でした。
図④のほうが、ポジションを保有している期間は図③の場合より約20%少なくなります。
モニタにチャートを表示させたら待ちきれなくて、すぐにポジションを持ってしまう、ということを初心者の方に多く見ます。
トレードを見送るべきとき、ポジションを保有すべきでないとき、この状況の見極めができるかどうか、この点が勝ち続けられるトレーダーと資金を失ってしまうトレーダーとの分かれ目になる点、と私は常々感じています。
次回は、一目均衡表の遅行線の活用法について、解説いたします。