トレードの勝率を上げる
これまで移動平均線をご説明する上で、すべて移動平均線を3本表示させておりましたが、その理由には特に触れてはまいりませんでした。
今回は、移動平均線を複数表示させることでわかること、またそれによりどのようにトレードの勝率を上げるのかについて述べてまいります。
トレーダーの中には、過去の取引傾向から自分自身に最もマッチした本数の移動平均線1本だけを用いる方もいます。
その場合、例えばローソク足がその移動平均線を下にクロスしたときをシグナルに使うなど、シンプルなトレードになります。
そのような手法で資金を積み上げてきた方もいることは事実ですし、トレーディング手法の正解は一つとは限りません。
インジケーターを選ぶコツ
大事なのは、ご自身が用いるインジケーターの意味を理解していることと、そしてご自身のトレーディングスタイルに合ったインジケーターを採用することです。
ここで図①ドル円1時間足のチャートをご覧ください。
今回は説明のため、わかりやすく移動平均線を2本表示にさせております。
トレンドフォロー型いわゆる順張りのトレードを行う場合、トレンドの強弱を知ることは重要です。
トレンドが強いことがわかっていてエントリーすれば、仕掛けたあとで利益を伸ばしやすくなるからです。
移動平均線を活用したトレンド強弱の判断方法
では、トレンドが強い状態を具体的にどのように判断すべきでしょうか?
図①において、短期の移動平均線(青線)が、長期線(赤線)の上に存在していることから、上昇トレンドであることは把握できます。
その中でもローソク足の位置に注目してください。
二本の移動平均線よりも上にある状態では、二本の移動平均線で挟まれた位置にローソク足がある状態よりも、トレンドの強いいえます。
オレンジで囲われた地点を見てください。
ローソク足は短期の移動平均線を抜け切ったポイントで、この点が仕掛けとなります。
そして、短期線にローソク足が触れた瞬間がトレンドの強い状態の終息点、つまり手じまいです。
トレンドが強いほどその期間が長く(点A点B)、弱くなるとその期間は短くなる(点C点D)ことがこれからわかるでしょう。
点Cにおいて、この場合では損切りとなりますが、強いトレンドの状態がAやBに比べかなり短くなっています。
このことから、強いトレンドの終息を予想でき、これ以降は点Dにおいて不要なエントリーを回避することが可能となるのです。