移動平均線を考える
株、FX、先物取引など、どのような取引であれトレードをするほとんどの方がチャートに表示させているのは、ローソク足、そして移動平均線です。
移動平均線は、トレードに取り組む方の多くが使用しているテクニカル指標です。
テクニカル分析において、他のトレーダーが用いているテクニカル指標を用いるのは、トレードする上での大原則となります。
移動平均線の種類
移動平均線にも単純移動平均線、加重移動平均線、指数移動平均線など様々あるのですが、今回は最もシンプルな単純移動平均線を用います。
移動平均線とは、一本のローソク足の終値の平均値を線でつないだグラフです。文章で説明してもいまいち理解するのが難しいかもしれませんので、ドル円5分足のチャートを用意いたしました。図①を見てみましょう。
図①では、3本の移動平均線が描かれているのがわかると思います。ローソク足5本分の移動平均線は黒色、ローソク足25本分は青色、75本分は赤色で表示されています。用いられているローソク足の本数が相対的に多いほど長期線と呼ばれ、少なければ短期線と呼ばれます。
長期線であるほど短期線に比べて、ラインの傾きはなだらかになります。長期線が右上がりであれば現在上昇トレンドにあることがわかりますし、右下がりなら下降傾向に、横ばいならば持合いであるということがこれによって一目でわかるのです。
複数の移動平均線を表示する意味
ところで、どうして複数の移動平均線を表示させる必要があるのでしょうか。
それは、上昇や下降のトレンドの変化をより具体的につかむためです。
移動平均線が、いくつか交差している箇所があるのがわかると思います。
今回は青ラインの25本移動平均線、赤ラインの75本移動平均線に注目して説明いたします。
この場合、青が短期線、赤が長期線となります。オレンジで囲ったところでは短期線の青が長期線の赤を下から上に抜いています。
相場の状況がわかる
上記の図②から相場は上昇トレンドへ変わったと読み取ることができます。
その逆で黒で囲われたところでは、短期線が長期線の下へもぐっています。つまり、下降トレンドへ変わったということです。
このように移動平均線は、市場のトレンドをつかむためのツールとしては最も基本的なテクニカル指標であり、複数の移動平均線を表示させることでトレンドの変わり目をより具体的に把握することができるようになります。