トレンドラインのブレイクについて
高値安値のブレイク、ボックス、ペナントなど、様々なトレンドラインのブレイクについて説明してきました。
どれもトレーディングの勝率をあげるためには、正しく理解して正しく活用することがとても大事になります。
しかしながら、ブレイクアウトの知識を正しく理解いていたとしても、自分自身のトレーディングプランが定まっていないがために、相場の状況によっては誤った使い方をしてしまうことがあるのです。
絶対にしてはならないこと
ここからが大事なお話になるのですが、ブレイクアウトによるトレードで絶対にしてはならないことがあります。
それは、トレードを早まってポジションを保有してしまうということです。
どういうことなのか、目で確かめた方がわかりやすいでしょうから、図で確認してみましょう。
図①はユーロドル日足のチャートです。
1ユーロ1.10000ドルを少し越えたところで高値を、1ユーロ1.05000ドルで安値をつけてボックスが形成された相場でした。
「ボックス」項目でも説明しましたが、相場がボックスを形成した場合、そのボックスの価格帯を抜けたことを確認してから、勢いのある方向でポジションを保有しなければいけません。
これは前回も説明したとおりです。
トレーダーが頻繁にしてしまう間違いに、実際には起こっていないブレイクアウトを期待してしまうことがあります。
ここで、地点Xに注目してください。
地点Xは1ユーロ1.05600ドルと前回の安値1.05000ドルをまだブレイクしていません。
ローソク足が6本連続で陰線をつけておりますし、この時点では確かに下方向への強さを感じられます。
前回安値がブレイクされていないにもかかわらずブレイクを期待し、この地点Xで売りポジションを保有した場合どうなるのでしょう?
続きを図②で確認してみましょう。
地点Xの値をつけた後に価格は上向きへ反転し、しまいにはボックスの上値を形成していた1ユーロ1.10000ドルを抜けてローソク足が確定されました。
その後は見ての通り、高値だった1.10000ドルが下ざさえの価格となり、ボックスをブレイクしてからは1ユーロ1.10000ドルを割ることはありませんでした。
ボックスの項目で説明した通りのトレーディングプランでしたら、地点Aの価格で買いポジションを持つべきことはおわかり頂けるでしょう。
マーケットの参加者は、みな一様に利益を出そうと必死
利益を出したい気持ちが前に出すぎてしまい、他のマーケットの参加者を出し抜こうとして早く仕掛けてしまうと、結局は裏目に出てしまうことが多いのです。
結局は、相場の動きを確認してから仕掛けるような後だしジャンケン的な手法が、資金を増やし続けるためには重要なことなのです。