ボリンジャーバンドを実践で活用する方法
ボリンジャーバンドとは、の項目において、最後にご説明しましたばらつきのお話の続きです。
グループA(40、45、50、55、60)、グループB(30、40、50、60、70)それぞれにおいて、65という数字はどの程度特異な数値かを考えます。
Aグループは2σ≒14.2ですので-2σ~+2σの範囲は35.8~64.2、Bグループは2σ≒28.2ですので-2σ~+2σの範囲は21.8~78.2となります。
この分散の考え方を用いるとき、理論上-2σ~+2σの範囲に96%の分布が収まります。
つまり、65という数値はグループAでは4%という特異さ(トレンドの発生)で、グループBでは96%の範囲内に収まるもの(レンジ相場)と判断できるのです。
さて、ここまで理解していただいたうえで、トレンドフォロー型のトレードに活用する方法をご説明いたします。
エントリーのポイント
図①は前回ご紹介したドル円日足です。
仕掛けとなるポイントは、+2σのラインを初めて上に抜けた地点で終値をつけたローソク足Pを確認したところです。
ここでトレンドの発生を想定し、点Qの1ドル105.800円で買いのポジションを保有します。
手じまいは、保有する時間が短いスタイルならローソク足が+2σから完全に離れた状態が確認できた点R1ドル112.000円(+620pips)、また保有する時間が長いスタイルならば、ローソク足P以降で初めて25本移動平均線を下に割り込んでローソク足が終了した点Sの115.400円(+960pips)となります。
ボリンジャーバンドは理論上-2σ~2σの範囲に96%のデータが収まります。
このことを知っている方は多いので、-2σ~2σの範囲から外れた4%の地点にデータの数値が表れたから、すぐに96%の範囲に戻ると考え、その方向のポジションを持ってしまうのです。
間違いではないのですが、その場合は逆張りでのトレーディングプランをあらかじめ策定していなければならないのです。
トレンドフォロー型の順張りでトレードするということは、トレンドは継続すること想定し、損切りの差額よりも利食いの差額を大きくするトレードをするということです。
損切りのポイント
最後に、損切りの場合の図②です。
トレードは常に都合の良いことばかりではありません。
先ほど同様、ボリンジャーバンド-2σの範囲から外に出て終了したローソク足を確認後、点Xの1ドル112.600円で売りポジションです。
保有期間が短いスタイルならば-2σからローソク足が完全に離れた点Yの1ドル114.900円(-230pips)、長い場合は25本移動平均線を上に抜けて終了した点Zの1ドル113.800円(-120pips)でそれぞれ損切りとなります。
損切りは残念なことですが、このトレード結果によりトレンドが終息したこと確認できましたので、トレンドフォロー型のトレードはここで一旦終了となるのです。