前回までは、基準線、転換線、先行スパン、これらの活用法を説明してまいりました。
今回からは、一目均衡表「遅行線」の活用法を解説いたします。
一目均衡表「遅行線」の活用法
ところで、遅行線とは何を示すものでしたでしょうか?
図①ドル円日足チャートをご覧いただき、一旦おさらいしましょう。
ローソク足の終値(赤の陽線なら上側が、青の陰線なら下側がそれぞれ終値になります)を26本分過去へ戻した地点をつないでいった線、それが遅行線として表示されていきます。
遅行線とは、ただ単純に終値を過去に戻した地点をつないだ線です。
過去は未来へ反映される!ローソク足の過去26本の威力
それが、トレードをするうえで、いったい何の役に立つのでしょうか?
そう思われる方も多いことでしょう。
トレード経験の浅い方にとっては、文章だけの説明ですとなかなかイメージしづらい内容です。
そこで図②のチャートに色々書きこみましたので、今度はこちらをじっくり確認してみてください。
先ほど、図①において「オレンジの丸印と矢印」を書き込んだ地点がありました。
「地点①」の終値は1ドル112.900円で、26本前の終値は1ドル114.000円でした。
もし仮に26本前に買いのポジションを建て、現在の地点①まで保有していた場合、110pipsの含み損を抱えている状態ということがわかります。
同様に考えて「地点②」では、26本前には1ドル106.900円だったものが、地点②で118.100円になっているので、地点①とは反対に1120pipsの含み益がある状態です。
この動きについては、以下のように言い換えることが可能です。
勝敗の分かれ目であるトレンドを遅行線で見極める
26日(26本)のローソク足が表示される間、地点①では110pipsのぶんだけ売り側の勢力が強く、地点②では1120pipsのぶんだけ買い側の勢力が強かったということです。
そして地点①と地点②とを単純に比較するなら、地点②の方の値動きが大きいため、地点②の方がトレンドが強かったということがわかります。
トレンドフォロー型のトレードにおいて、相場にトレンドが発生しているか否かを知ることは非常に重要です。
次回は、最後の段落で説明したことを利用し、トレンドの発生や収束を知るためのテクニックを解説いたします。