忘れてはいけないトレードの本質
さて、「学習コスト」の項目、前回の続きです。
久しぶりに読んでいただいた方もいらっしゃると思いますので、こちらの図①ドル円日足チャートをもう一度ご覧ください。
ただ、プランは所詮プランです。プラン通りにトレードができるかどうか、それが非常に大事なことです。
特に地点DのようにMA75を割ってローソク足が終了した時点で手じまいをする、といったプランの場合、損失を抱えた状態で手じまいとなります。
ところで、トレードにチャレンジしようと思ってトレーディングを始めたとき、皆さんは何を考えて始めたのでしょうか?
損をしたくてトレードを始めた、などという方はほとんどいないはずです。
皆さん一様にご自身の資金を今以上に増やしたくて、トレードをし始めたはずです。
けれども、損切りをしなくてはならない状況にみまわれる。実に矛盾していることです。
本当に損失回避なのか・・・
今回のトレードで、仮に1枚でトレードしているとしましょう。
地点Dでは-28pipsですので、ここで損切りしたならば2800円の損失です。
この地点でトレーディングプランがぐらついているトレーダーは、もしかしたら再び反発するかもしれない、などと考えてしまったりします。
損失を受け入れられなかったのなら、この後どうなるのでしょうか?
その後の値動きをチャート、図②で確認してみましょう。
地点Dのローソク足の後、わずか20分で地点Eの1ドル111.400円まで下がりました。
最悪の場合-108pips、10800円の損失で手じまいすることになってしまいます。たった1枚でもこの金額の損失なのです。
108pipsの損失を取り戻すには、時間も労力もたくさん必要になってしまいます。
熟練トレーダーが通る道
実際の資金を失ってその痛みを知ること。デモトレードでは、自分の資金が減ることはありませんので、この痛みを感じることはないでしょう。
しかしながら、実際の資金を投入した人は、このトレードで資金を減らしてしまうという痛みを感じることになります。
トレードを初めて最初のうちは、自分の決めたプラン通りに損切りができなくて、今回のように100pipsを越えるほどの損失をこうむる、といったこともあるでしょう。
ですが、最初の段階でこのような損失を体験することも、ご自身のトレーディングスキルを成長させるための学習コストなのです。
書籍を購入するコストと同様の学習コストと言えるでしょう。
これは、どんなトレーダーも通ってきた道です。
自分に合ったトレーディングプランを練る、そしてそのプランを忠実に実行できるようになる、それまでは学習コストがかかるものと思って、根気強くトレードに挑みましょう。
その痛みを乗り越えられた人だけが、熟練したトレーダーとなれるのです。