大きな流動性の裏側をご存知ですか?
様々なトレーディングプランがぶつかり合う理由をご存知ですか。
以前の記事「テクニカル分析に適した時間軸」の番外編です。
その記事の最後に、すべてのトレードにおいて利益を出すことは不可能、と書きました。今回は、そのようなトレードの一例を取り上げ、そしてタイトルにもなっている「損失?から『勝利』につながる3つの考え方」という、少し不思議な事例について解説をいたします。
さて、長期で保有するトレーダーにとって、傷が深くなってしまう時は、主にどのような場合でしょうか?
それは、マーケットの状況が荒い場合です。ボラティリティが過度に高くなっている状況において、こと損切りに関しては、短期志向である方が圧倒的に有利です。
以前の記事では、売りポジションを保有する場合を想定して解説いたしました。着目したポイントは、地点Aのローソク足が確定した価格、もしくはそれまでのトレンドにおける安値などでした。
今回も着目するポイントは以前と同様です。ただし以前と違う点は、今回はこの動きが上昇トレンドの途中であると想定していることです。
地点Aのローソク足は、まだ移動平均線にかかっています。そして、ローソク足の終値は、上昇トレンドが始まる前の安値を割り込んではおりません。したがって、この値動きを上昇トレンド途中の強い押しと捉え、地点Aの次のローソク足が、移動平均線の価格まで反発するということも十分考えられます。これもトレンドフォローの考え方としては、間違っていません。
損失であっても成功となるトレードの具体例
そのようなトレーディングプランで挑んだ場合、どのような結果となるかを確認していきましょう。
買いは、地点Aのローソク足の終値1ユーロ1.17380ドルです。
プラン①は、地点Aの次のローソク足の終値が移動平均線の価格まで戻ると想定した場合です。結果は、反発せず次のローソク足の終値が1.17280ドルだったため損切りです。
損失は、10pipsでした。
プラン②は、前のトレンドの安値1.17250ドルをローソク足の終値が下回ることはない、と想定した場合です。
こちらは、1.16880ドルをつけてローソク足が確定したため損切り。損失は、50pipsでした。
どちらのプランも損失を被ることとなりましたが、この一連の下降トレンドは、約24時間で307pips下げるものでした。
損失になったという意味ではどちらも残念なことですが、307pipsもの値動きがあった時に10や50の損失で収めることができた場合、資金を増やし続けていくための行動という観点からは、成功と言えるのです。
優れたトレーダーが信じている3つの考え方
【Ⅱ】 仮に1時間に50pipsの下落があったとしても10pipsの損失で済んだのなら、それは敗北ではなく、勝利である
【Ⅲ】 結果として状況が不利になってしまったポジションを手じまいすることは、明日からもポジションを保有できることを意味する
ご自身のトレーディングプランがこの3点を実践できるものとなっているかどうか、大事な資金を守り続けるために、いま一度見つめなおしてみてください。