トレンドの強弱を知る
前回までは、移動平均線と価格との距離を正確に把握する、ということをテーマに解説させていただきました。
https://kakak.net/fx39/
https://kakak.net/moving-average-01/
今回は、移動平均乖離率を用いて、トレンドの強さの変化を察知することに焦点を当てて解説いたします。では、ドル円1時間足チャート図①をご覧ください。
2/8の22:00に価格が移動平均線に触れた(図では緑線の手前のローソク足)のを最後に、価格が移動平均線から下離れし下降トレンドを形成し始めた状況です。
今回は、図①のチャートに移動平均乖離率の表示とともに、ローソク足の方に移動平均乖離率の推移がわかるように、ピンク色のライン(-0.750%、-1.500%)を参考に書き込んでいます。
これらの乖離率のラインを引いたとき、「移動平均線と-0.750%ライン」「-0.750%ラインと-1.500%ライン」とでそれぞれチャネルが形成されていたことが見て取れます。
緑線以降は下降トレンドでしたが、これらのラインを引くことにより、トレンドに強弱があったことがわかると思います。
トレンドの強さが変わる瞬間を読み取る
次に、図②のチャートを見てみましょう。
下降トレンド序盤の区間Aでは、乖離率が-0.800%に触れてから移動平均線と-0.750%の間でチャネルを形成し、ほぼ横ばいに近い緩やかな下降トレンドでした。そのほとんどが-0.500%にも届いていない状態です。
その後、前回の下限である-0.800%の乖離率をさらに下回ってからは、-0.750%ラインの下で価格は推移しています。
-0.750%ラインと-1.500%ラインとの間でチャネルが形成され、区間Aよりも強い下降トレンドになりました。
これが、区間Bです。
この区間Bの特徴として注目すべきは、安値を次々と更新し、かつ高値も切り下がっているという点です。
安値を更新した地点にはオレンジ色の線と丸を書きこんでおりますが、その数がAと比べて多いのがわかるでしょう。
しばらくの間、強い下降トレンドが続いていましたが、乖離率-0.750%のラインをローソク足が完全に上抜けた区間Cにおいては、-0.750%を下に割ることができずに反発し、下降トレンドは終息しました。
トレンドの強さを都合よく解釈しないこと
このように移動平均乖離率を用いることで、新しいトレンドの発生やその終息を把握し、トレンドフォロー型のトレードに役立てることができます。
今回はたまたま乖離率の下限が-1.500%でしたが、市場の流動性いかんによっては、-2.250%、-3.000%とより強いトレンドになることもありますし、逆に、-0.750%を下抜けるほどの強いトレンドが発生しないこともあります。
大切なことは、自分に都合良く解釈してトレードを行わない、ということです。
今回は、オシレーターの解説でしたので、具体的なエントリー、イグジットの選定はトレンド系ツールを用いて行うのがトレンドフォロー型トレードのセオリーです。
トレンドの有無、または強弱を移動平均乖離率から読み取り、現在の状態はトレンドフォロー型のトレードをするのに適しているか、という判断材料として活用しましょう。