必要資金は安定したトレードを行うため
前回「その1」では、1トレードで投入する金額が仮に45万円だった場合、用意する資金は45万円だけではいけないこと、そしてトレードを繰り返し行うとき、1度に投入する資金をトレードするたびに変更してはならないこと、この2つについて説明いたしました。
これをふまえて今回は、安定してトレードするためにはどの程度の資金が必要なのか、ということを解説いたします。
まず、トレーディングの前提として必要なことは、何百何千回とトレードを繰り返したとしても、資金を目減りさせないプランを確立することです。
しかしながら、そのようなトレーディングプランを確立できたとしても、長くトレードを繰り返していれば、一時的に資金を減らしてしまう局面には必ず遭遇します。
一時的とはいえ資金を減らしてしまったとしても、「1度のトレードで投入する資金額」よりも、「トレードのために用意する資金額」は常に多い状態でなくてはなりません。この点が、今回の項目で目標にすべきポイントです。
シンプルな資金管理法
言葉だけはピンとこない方のために、図①をご用意いたしました。
トレードをするための資金として、仮に100を用意したとします。
また、1度のトレードで投入する資金額の目安ですが、本来ならばレバレッジ倍率や相場のボラティリティ(価格変動の激しさのこと)を考慮して設定しなければなりません。
が、この手の解説はまだ初回ということで、その点は今回考慮しないことにいたします。ということで、トレード投入額はトレードのために用意した資金の40%に設定しました。
リスクを40%に限定したトレード方法
そしてその後のトレードで、利益が25%だった場合、利益額は+10。トレード用資金の総量は96から106に増えたため、総量に対して10.4%の増加です。
つまり、トレードで投入する資金額の増減率が、ダイレクトに資金の総量の増減率とはならないのです。
資金総量の増減率は投入額の増減率よりも少ないものとなりますが、1度のトレードで投入する資金額を一定にするために欠かすことのできない考え方です。
なお、今回は安定したトレードを継続するために必要な運転資金についての解説ですので、具体的なプランの策定については、「ドローダウン」や「マネーマネジメントプラン」の項目で説明しようと思います。
次回「トレードに必要な資金その3」では、投入する資金額を変更すべき場合について解説させていただきます。