テクニカル分析が有効に働く時間軸
これまでもテクニカル分析に関する手法を紹介する際、イメージとして捉えやすいように、実際のチャートと合わせて解説をしております。
ただ、それに用いられるチャートですが、その大部分は短めの時間足が中心です。と言いますのも、テクニカル分析とは、短期の時間軸であるほど、より有効性を発揮するからです。言い換えると、数週間、数か月を超えるような時間軸には、重要性を見出していない、ということなのです。
短い時間軸を利用すべき理由
それはいったいなぜなのでしょうか?こちらの図をご覧ください。
「国策には逆らうな」という相場の格言があります。図にもありますように金利の変動、特に長期金利の上昇や下降は、その国の通貨の価値そのものの上昇、下落に直結することです。
また、その国の雇用状況を知ることで、企業の経営状況を察知することができます。企業の利益に直結することですので、当然ながら証券市場に大きなインパクトを与えます。これらのこと以外にも、図に記載したようなGDPや商品価格の動向など、といった要因が常に存在しています。
マーケットを取り囲むこれらの要因に関して、テクニカル分析を用いることで、その将来の数値や状況を予測することはほぼ不可能です。
つまり、テクニカル分析の時間軸が長くなるほど、その有効性は低下するのです。前述の要因がマーケットの値動きに影響を及ぼすことはあらかじめわかっているのですが、将来の値動きにどのような変化をもたらすのかまでは、推測することはできないのです。
実際の値動きから考察する
では実際に「金利」や「雇用」「その他の要因」が値動きにどのような影響をもたらすことになるのでしょうか。こちらのユーロドル30分足チャートをご覧ください。
大きな不確定要素が存在しない場合なら、数分後、数時間後の市場の流動性やパワーバランスはテクニカル分析を用いれば知ることはできます。ただ、このチャートにおける地点A(6/14 20:30台のローソク足)以降は、大きくその流れが変わっています。次回は、これらの事象に対してどのように対処すべきかを解説してまいります。